2004
02.04

Vol.08「さよなら近鉄劇場」

けんぞう見聞録


□日時:2004年2月4日(水)
□場所:大阪府大阪市、近鉄劇場
□内容:さよなら近鉄劇場


大阪市内の小劇場としてみんなから愛されてきた上六の近鉄劇場が2月4日の公演を最後に閉館しました。劇場最終日の公演は僕の大好きな劇団ふるさときゃらばんのサラリーマンミュージカル「パパの明日はわからない」でしたが、大阪文化の火がまたひとつ消えてゆく寂しさの中、テレビ局の取材などもきており、なんか歴史的な瞬間に立ち会っているような気持ちになりました。本当に長い間ご苦労様でした。


近鉄劇場とは

近畿日本鉄道が、映画館があった旧近鉄会館と旧近鉄本社ビルを改装して1985年10月に開業した劇場で、近鉄劇場は954席、近鉄小劇場は420席あり劇団四季のミュージカルや演出家蜷川幸雄さん、劇作家野田秀樹さんそしてふるさときゃらばんの人気作品などを上演してきました。93年のピーク時には40万人を動員していましたが01年には22万にまで減少。また老朽化も著しい事から閉鎖となりました。

オープンした1985年といえば阪神タイガースが優勝した年。タイガースは昨年18年ぶりに優勝しましたが、近鉄劇場は18年と4カ月で閉鎖となりました。どちらも大阪文化を代表するものであるだけに、新しいカタチで再オープンすることを願っています。

当日はふるさときゃらばんの公演後、近鉄劇場の支配人を始め、窓口のチケット係から会場案内係までこの劇場で働いていた全てのスタッフが舞台の前に集合し、劇団の役者のかけ声のもと、観客も全員立ち上がり近鉄劇場とスタッフへのねぎらいの気持ちを込めて、全員で三本締めを行いました。こんな場面に立ち会うのは始めての経験でしたので「なんか大阪の歴史的な瞬間に立ち会っているなあ~」としみじみと感じました。


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劇団ふるさときゃらばんとは

僕の大好きな劇団ふるさときゃらばんをご紹介します。この劇団は1983年に設立され、その名前とおり「ふるさと」を「きゃらばん」している劇団で日本中の市、町、村を回って公演をしています。1983年2月25日福岡県瀬高町で始まった公演も昨年2003年8月23日の静岡県島田市の公演で全国の自治体3181の約1/3にあたる1000自治体公演を達成。47都道府県での3449回の公演を記念して東京でパーティーが開催されました。
この劇団は「日本の風土、日本の暮らしに根ざした日本人のためのミュージカルの創造」を目指しており、徹底した取材にもとづき見る人が「なんでそこまで事情わかんねん???」と驚くような脚本で舞台が組み立てられます。地方では農村事情をテーマにした「カントリーミュージカル」をそして東京や大阪などの都会ではサラリーマンをテーマにした「サラリーマンミュージカル」を上演します。ちなみに僕は1992年に知人からいただいたチケットでこの劇団に出会ってからすっかりファンになり、大阪での公演は必ず友人・知人・家族・親戚を誘いながら楽しませていただいています。


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サラリーマンミュージカル「パパの明日はわからない」

今回の公演「パパの明日はわからない」を見るのは三回目なのですが、最初は友人20名を誘って観劇しその後は役者のみなさんと楽しく懇親会を開催。2回目はエキストラとして劇の中で「スーパーの客」として登場。セリフはありませんでしたがふるきゃらの舞台に立てた事は人生の中の大きな勲章となりました(えらいおおげさな・・・)そして今回の近鉄劇場さよなら公演としての三回目。一緒に見た友人も2回目や3回目だったのですが何度見ても感動する舞台にウルウルとなっておりました。

またこの作品は2001年の企画段階で役者やスタッフが大阪に入って、僕を始めたくさんのビジネスマンに実際に会って取材をしながら脚本が作られました。そんなプロセスの中で作・演出を担当されている石塚克彦さんや役者の萩原貴光くんとも芝居についてお話をさせていただく機会があったので、自分も作品作りに少しは影響を及ぼしたかも?という思い(勘違い?)も強い作品でもあります。


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応援団に入ろう!

劇団ふるさときゃらばんには「応援団」があります。応援団には応援団員証が発行されるのですがこのカードの裏に書いてある注意書きがなかなかいけてます!

○応援団員はふるさときゃらばんを依怙贔屓しつづけ、ことある事に友人知人等、
所謂関係者に「あの劇団はスッゴク面白く尚且つ好い劇団だ!」としきりに噂を振り撒くこと。
○その他の応援方法を自ら開発創意工夫しつづける人はエライ!
○応援団員はフレーフレーとか応援の練習は集まってしない。
○応援団員は兎も角イキイキしていること。

どうですか?なんか読んでいるだけで楽しい気分になってきませんか?僕はこの規則に従って興味がありそうな人がいたらいつも「ふるきゃらはええでえ~いっぺん見たらはまるでえ~」と宣伝しています。そんな活動を評価いただき最近では大阪公演が決まったら真っ先に劇団スタッフから「今度大阪へ行きますのでよろしくお願いしますね」という電話をいただけるようになりました。これからも応援団として頑張って活動したいと思います。また応援団にはいると劇団の活動内容が紹介された季刊誌が郵送されるので、どんどん劇団に詳しくなれますよ(笑)


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