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けんぞう見聞録 Vol.5
□日時:2003年10月31日(金)〜11月3日(月)
□場所:中国:上海市
□内容:上海フィールドスタディ
●「上海市内案内」編→
●「企業訪問レポート」編→
●「上海プチ観光」編→
「企業訪問レポート」編
4日間で12社の方々と会い様々なお話を聞くことが出来ました。ちなみに中国では社長を「総経理」といいますので、日本の経理部長さんも中国に行けばみんな社長って呼ばれるかもしれませんね?コーディネイトいただいた幹事団の方々に改めて深謝です。
●10/31(金)
 1)張江ハイテクパーク/ハイテク
 2)上海浦東創業投資有限公司/VC
 3)上海立派信息技術有限公司/IT(ソフトウェア)
●11/1(土)
 4)復旦大学管理学院/MBAスクール
 5)上海ソフトウェアベース/IT育成
 6)上海航天計算机系統行程有限公司/IT(医療)
 7)嘉興伴宇集団公司/縫製(ユニクロ製品)
●11/2(日)
 8)日本ヤマハ発動機/製造(電動自転車)
 9)上海創価人材服務有限公司/人材(紹介)
 10)半導体産業新聞/出版
●11/3(月)
 11)上海人材弁公室/人材(制度)
 12)PRECC/人材(育成)
1)張江ハイテクパーク/ハイテク
総経理助理のWu Pingさん、招商一部の何尊さん。
92年に国の政策としてハイテク分野の成長を促すために設立された企業支援の為のパークで浦東国際空港と上海中心地との中間地点にある。敷地内には企業だけなく、学校や住居も完備されており、日本からはソニー、京セラ、キリンビール、オムロンなどがここに進出している。イメージとしてはとアメリカのシリコンバレーのようなエリアであり、国内に世界中の先端技術を集める中国の国家的な戦略をみたように感じた。
 
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2)上海浦東創業投資有限公司/VC
高級投資経理(MBA)の周熱情さん
張江ハイテクパーク内にあるベンチャー投資会社で97年創業、資本金1億元(約15億円)従業員14名の規模で主にこのパーク内の企業と上海のIT企業、バイオ関連企業に投資している。投資する企業を選ぶポイントは1)経営者の資質2)市場の成長性3)独自の保有技術の三点であり、特に経営者はマーケティングと財務に長けた人物に高い評価をおいている。これまではハイテク関連企業への投資が中心であったが今後はサービス業にも投資先が広がるとの事でした。
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3)上海立派信息技術有限公司/IT(ソフトウェア)
総経理の祝さん副総経理の朱さん
日本のソフト会社に勤めていた社長が今年の1月に設立したソフトウェア開発会社で主にCSK等の日本企業から受注している。基本金は100万元(約1500万円)従業員30名のベンチャー企業である。日本には「技術」と「管理」中国には「人材」があるという理念の元、将来顧客から「立派」な会社と呼ばれることを目指して社名をつけておられる。日本の企業の問題点は何か?という質問に対してズバリ「スピード」すなわち意思決定と実行力の早さで完全に欧米企業に負けていると指摘されたのが印象的であった。
 
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4)復旦大学管理学院/MBAスクール
教授の司春林さん、管理学博士の田増瑞さん
中国には有名な大学が4つあり北京の「北京大学」「精華大学」上海の「復旦大学」「交通大学」である。一般の大学には300〜400点/750点満点で入学できるがこの四大に入るためには550点以上必要である。ちなみにここ復旦大学は中国の京大と呼ばれているそうだ。また「管理学院」とは「マネジメントスクール」の事である。この学校は99年にハーバード大学のアドバイスにより開設され3年以上の実務経験を持つビジネスマンが年間約500〜600人経営について学んでいる。平均年齢は28才。男女比は7対3程度。ケースはハーバードビジネススクールのものと中国企業のオリジナルケースを使用している。また「創業学」や「創業投資」という書籍を出版しており、中国でもMBAに強い関心があることを実感できた。
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5)上海ソフトウェアベース/IT育成
副総経理の楊さん
ソフトウェア産業を育成するための第3セクターで1)政府と企業の中間業務2)企業と企業の接点作り3)企業と金融機関の接点作り4)企業のマーケティグ支援の4つのサービスを提供している。最近日本で増えてきたインキュベーション施設をイメージするとわかりやすい。説明してくれた楊さんが懸命にここへの投資を宣伝していたことがとても印象的であった。
 
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6)上海航天計算机系統行程有限公司/IT(医療)
CEOの康宏さん
上海ソフトウェアベース内で99年に創業したベンチャー企業で高度な外科手術の映像を医療技術の教育の為、衛星を使い中国22省へ配信している。国土が広い中国では先端医療技術の配信は高いニーズがあり、従業員500名、売上げ高は8000万元(約12億円)である。日本ではインターネットの普及に伴い衛星の活用が減ってきているように思うが、中国ではまだまだ衛星が頑張っているようだ。中国での投資先について北京は政府に近すぎる。シンセンは人の出入りが激しすぎる。西安は地域的に内陸過ぎる。だから上海がベストであるという話が印象に残った。
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7)嘉興伴宇集団公司/縫製(ユニクロ製品)
貿易部部長の顧暁燕さん
上海から南西に約90キロ離れた平湖市にある縫製工場で1980年創業。日本製品を80%欧米製品を20%受注し、売上げは2億元(約30億円)の規模である。この工場では平均年齢28才(20〜40才女性が9割)の従業員が2000人働いており、1時間に1000着、1年間に350万着の製品を縫製することができる。給料は縫製係が1200〜1300元(約19500円)で組長と呼ばれるリーダーになると1500元(約22500円)もらえる。工場内はお洒落なBGMが流れとても清潔で整理整頓が行き届いていた。また近辺には畑の中に二階建ての新築家屋が建ち並んでいた。価格は1軒約150万だそうだ。もちろん土地は全て国家のもの。
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8)日本ヤマハ発動機/製造(電動自転車)
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副所長の岸本英司さん(日本人)
中国での移動手段はバス、地下鉄、自転車、バイク、自動車と様々なものがあるが上海では人口1700万に対して自転車の台数が2000万台。バイクは環境対策と交通混乱をさけるために政府が閉め出しているので、結果として電動自転車が良く売れている。上海では毎月1万台の電動自転車が販売され、メーカー数は400社、トップ企業のシェアが3.5%。上位10社でもそのシェアは24%に過ぎない。現在の市場規模は160万台であるが05年には500万台市場に成長すると見込まれている大変有望かつ競合の激しい市場である。ヤマハでは感動創造企業の理念の元、最新技術と運転の面白さをテーマに中国ビジネスの取り組んでいる。中国ではキャッチアップがあまりにも早いため技術を小出しにする等、常に三手先を用意しながら進める事がポイントという話が印象に残った。また成功の秘訣は表と裏両方の情報収集能力と広範囲な人脈でありという話は経済は資本主義、政治は共産主義の国ならではのポイントであると感じた。
9)上海創価人材服務有限公司/人材(紹介)
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副総経理の金鋭さん
日本生まれ日本育ちのリクルート出身の金さんが99年に経営参加した人材紹介会社で顧客数は1200社、登録2万人、売上げ670万元(約1億円)である。マクドナルドの時給が4元(約60円)ウェイトレスの月給が800元(約12000円)等賃金水準を詳しく解説いただいただけではなく、日系企業では「営業」と「生産管理」欧米系企業では「HR(人事管理)」と「アカウンティング」の人材を求めるなど経営資源についての視点の違いがとても参考になった。また上海人は関西人に似ており合理的・直接的・お金の計算が早い等の話はとても面白かった。また中国では13億の人民が戸籍制度で管理されており、自由に転居できないことも始めて知った。そして中国でも女性はかなり強く、男性が定時に帰り、買い物、家事、子育ては当たり前の事であるらしい。ガンバレ!中国の男たち!
10)半導体産業新聞/出版
特派員の黒政典善さん(日本人)
中国で雑誌の出版事業を立ち上げた日本人で現在は半導体に関する情報を日本のメディアに提供している。中国で日本人が失敗する理由として1)理解不足2)交渉下手3)遠慮の3点を指摘されていた。中国ではいったもん勝ちやったもん勝ちであり、払う気のないお金はたとえ年金、保険、税金も払わないという徹底ぶりらしいので、お金は先払いでビジネスをしないと簡単には回収できないようである。
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11)上海人材弁公室/人材(制度)
郭先生
21世紀の人材を育成するために政府の特別組織として88年に設立。政府が発表する今後要求される人材を開発・育成。具体的には能力の基準作りや教科書作りまた資格試験などを行っており、上海の450万人が受験し300万人が合格している。主な項目としてパソコン、通信、マルチメディア、MBAがありアメリカやドイツとも協力しグローバルな人材開発を進めている。
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12)PRECC/人材(育成)
総経理の戴さん
アメリカと日本で10年間ビジネスを行っていた社長が帰国後中国で体験したサービスレベルの低さに課題を見いだし今年6月に創業。日本人女性のスタッフも雇用し中国企業にマナー研修などを実施している。外見上は東京やニューヨークと変わらない成長を遂げている上海もソフト面、特にマインド面ではまったく国際的な競争力を持たないため、中国国民のスタンダードモデルを政府と協力しながら作って行くことを大きなビジョンとしている。政府は2010年の上海万博に向け「かわいい上海人になろう!」というメッセージを発信しているそうである。
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